日本の生活への影響は、まず燃料・電気・物流費、その次に輸入食品や一部日用品の値上がり・遅れです。
バブエルマンデブ海峡は紅海とスエズ運河につながる要衝で、ここが詰まると船はアフリカ南端まわりに迂回しやすくなり、輸送日数と運賃、保険料が上がります。実際、紅海回避では航海日数が平均17日伸びたという報告があり、主要船社も紅海回避を進めています。
エネルギー価格に影響
日本でいちばん効きやすいのはエネルギー価格経由です。EIAは、2024年にバブエルマンデブを通る原油・石油製品の流れが大きく落ち込み、LNGの流れはほぼ消えたとしています。民間分析でも、日本はサウジなどからの輸入原油への依存が高く、紅海混乱の直接効果よりも、原油高という間接効果に弱い側とされています。つまり、海峡封鎖が長引くと、ガソリンだけでなく、配送費・電気代・工場のコストまでじわじわ上がりやすいです。
日用品で起きやすい3つの影響
1つ目は値上がりです。トラック輸送費、倉庫費、船賃が上がるので、紙製品、洗剤、ティッシュ、トイレットペーパー、ベビー用品、ペット用品のような「かさばる物」は店頭価格に転嫁されやすいです。
直接その海峡を通らない商品でも、物流全体のコスト上昇で影響を受けます。紅海回避で海上運賃が高止まりしたことは、日本の物流企業やJETRO資料でも触れられています。
2つ目は入荷の遅れです。とくに影響を受けやすいのは、欧州・地中海方面から来る商品です。たとえば、オリーブオイル、パスタ、チーズ、ワイン、海外コスメ、欧州系の家庭用品、部品を使う家電や雑貨は、平時より届きにくくなります。これは、スエズ・紅海ルートが止まると欧州発アジア向けの船が遠回りになるからです。ここは地理からみた妥当な推定ですが、少なくとも「スエズ・紅海が止まると欧州―アジア物流が遅れる」こと自体は国際機関と船社の動きで確認できます。
3つ目は品薄感による先回り買いです。実際に全部なくなるとは限りませんが、「また止まるかも」という見方で、小売や卸が在庫を厚めに持とうとし、消費者も先に買いやすくなります。そうなると、保存がきく物や重い物から店頭で薄くなりやすいです。
生活目線で影響が出やすい順
ガソリン・灯油など燃料 → 電気・配送費 → 食用油や輸入食品 → 紙類・洗剤など日用品 → 欧州由来の雑貨や部品入り商品
バブエルマンデブ海峡の封鎖だけなら、日本はいきなり生活必需品が全部止まる形にはなりにくいですが、値上がりと遅れはかなり現実的です。特に日本では、海峡そのものよりも、そこから波及する原油高と物流費上昇のほうが家計に効きやすいです。
バブエルマンデブ封鎖とホルムズ海峡封鎖との違い
結論は、バブエルマンデブ封鎖は物流の遅れ・運賃上昇が中心、ホルムズ海峡封鎖は日本のエネルギー直撃です。
バブエルマンデブ海峡封鎖
主に 物流の問題 です。 紅海〜スエズ運河ルートが使いにくくなり、船がアフリカ南端へ迂回しやすくなります。 その結果、輸送日数・運賃・保険料が上がる。
日本では、欧州方面から来る商品や、かさばる日用品、輸入食品の値上がり・入荷遅れとして出やすいです。EIAは、2024年にバブエルマンデブ通過の原油・石油製品が前年より大きく減ったとしています。
バブエルマンデブ封鎖
→ 「届くのが遅い」「運ぶのが高い」
→ 日用品や輸入品がじわじわ高くなる
ホルムズ海峡封鎖
こちらは エネルギーの問題 です。 ホルムズ海峡は、世界でも特に重要な原油輸送の要所で、代替ルートが限られます。EIAも「世界で最も重要な石油輸送のチョークポイント」と位置づけています。
日本は原油輸入の9割超を中東に依存しているため、ここが本格的に止まると、単なる物流遅延では済まず、原油価格、ガソリン、電気代、製造コスト、配送費まで一気に効きやすいです。METIの資料でも、日本は2023年時点で原油輸入の9割超を中東に依存するとしています。
→ 「燃料そのものが危うい」
→ 日本の家計と産業全体に強く響く
ホルムズ海峡封鎖のほうがはるかに重い
日本への痛さで比べるなら、ホルムズ海峡封鎖のほうがはるかに重いです。
バブエルマンデブは物流コスト上昇型、ホルムズはエネルギー供給直撃型と見るとわかりやすいです。
かなり雑に一言で言うなら、
バブエルマンデブ=物が高くなりやすい
ホルムズ=日本全体がきつくなりやすい
です。
バブエルマンデブ海峡が封鎖されたときの備え
ふだん使う分の予備を持つ※買い占めはNG
燃料に左右されやすい物と、普段から使う消耗品を少し厚めに持つことです。
具体的には、水、食料、トイレットペーパー、ティッシュ、洗剤、電池、カセットボンベあたりを、買い占めではなくふだん使う分の予備として持っておくのが現実的です。
ホルムズ海峡の問題はエネルギー高、バブエルマンデブ海峡の問題は物流遅れにつながりやすいので、「なくなる前提」ではなく、「高くなる・届くのが遅れる前提」で備えるのが合っています。
節約
節約も検討を視野にいれたほうがいいです。
理由は、こういうときは「物がなくなる」より先に、燃料費・電気代・物流費の上昇が家計を削るからです。
たとえば、
- 電気・ガス・ガソリンの無駄を減らす
- まとめ買いと使い切りを意識する
- 値上がりしやすい消耗品は早めに予備を持つ
- 外食や衝動買いを少し絞る
などです。
まとめ
これまでの内容をまとめると、バブエルマンデブ海峡の封鎖は、日本にとって主に物流面の問題です。紅海からスエズ運河につながるルートが使いにくくなるため、船が遠回りになり、輸送日数や運賃、保険料が上がりやすくなります。その結果、欧州方面から入る商品を中心に、輸入食品や日用品がじわじわ値上がりしたり、入荷が遅れたりしやすくなります。
一方で、ホルムズ海峡の封鎖は、物流よりもエネルギー面で日本に強く響きます。日本は中東からの原油への依存が高いため、ここが本格的に止まると、原油価格の上昇を通じて、ガソリン代、電気代、物流費、製造コストまで広く影響が及びます。つまり、日用品の値上がりだけでなく、家計や産業全体の負担が重くなりやすいです。
要するに、バブエルマンデブ海峡封鎖は「物が届きにくくなって高くなる」問題であり、ホルムズ海峡封鎖は「日本全体のエネルギーコストが上がる」問題です。日本への影響の大きさで見ると、ホルムズ海峡封鎖のほうが重い、と考えてよいです。
備えとしては、備蓄だけでなく、固定費の見直しや無駄な出費を減らすことも大切です。
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